トイレリフォームの費用は「10万円前後」が基本です|和式から洋式への変更には最低「20万円前後」必要な理由

費用
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【最終更新日】2020/01/12

 

この記事では「トイレリフォーム」の費用について、一体どれぐらいが目安なのかシミュレーションしています。

 

知っておいてほしいのは、トイレリフォームにかかる費用の内訳です。トイレリフォームにかかる費用「便器本体価格」+「工事費」で構成されています。

 

まず「便器本体価格」については、どんな便器を選ぶかによるので一概に「いくら」とは言えませんが、だいたい「3万円~4万円」をみておけば間違いないかと思います。

 

(リクシル、パナソニック、TOTOの3大メーカーの便器を比べて、予算に合う便器を選んでください)

 

次に「工事費」ですが、これは下に書いたように元々のトイレが「洋式」か「和式」か「汲み取り式」かによって費用が異なります。

 

  • 洋式→洋式 工事費3~4万円前後
  • 和式(水洗)→洋式 工事費15万円前後
  • 和式(汲み取り式)→洋式 工事費20万円前後

 

単純に「洋式便器の交換」だけなら「便器代(3万円~4万円)+工事費(3万円~4万円)」で完結するので、リフォーム費用は「10万円」前後となりますね。

 

一方で和式トイレを洋式トイレにする場合は「工事費」が高いので、トータルで20万円前後かかる計算です。(便器代3万円~4万円+工事費15万円)

 

特に汲み取り式の和式トイレだと自宅に浄化槽を設置しなければならないので、工事費が50万円以上かかることもあります。

 

なのでここでは「簡易水洗トイレ」を使うことにして費用を抑え、およそ20万円前後の工事費で済むようにシミュレーションしています。

 

以下の本文ではトイレのリフォームにかかる費用、特に「便器の交換」に関する費用計算について、もう少し詳しく解説しています。

 

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トイレリフォームの費用は「10万円前後」が基本です|和式から洋式への変更には最低「20万円前後」必要な理由

 

トイレの一般的な便器交換費用とは?

 

ホームセンターや大型家電店に行くと、様々な最新型トイレが展示しています。

 

そこには「工事費用込み」という但し書きが書いてあることがありませんでしたか?

 

トイレ便器の交換工事の費用とは具体的にいくらくらいなのでしょうか?

 

現在の基本は「洋式→洋式」への交換

 

ホームセンターなどの展示販売や、リフォーム業者の広告などに記されている便器交換費用は一般的に「工事費込み」の価格です。基本的には「水洗洋式便器から水洗洋式便器」への交換工事の費用となっています。

 

つまり「和式トイレ」や「汲み取り式トイレ」からの交換工事の場合、そこに書かれている費用は当てはまらないということです。別途工事の扱いになるので注意が必要です。

 

トイレ便器交換工事の基本費用は「洋式から洋式」がデフォルトです。決して勘違いしないでください。

 

洋式便器の交換費用は3万円からが基本

 

では、洋式便器から洋式便器への交換工事費用は具体的にいくらくらいなのでしょうか?

 

ホームセンター・家電量販店・リフォーム業者等の「工事費込み」価格とは、文字通り「便器本体価格+工事費」の価格です。逆に言えば、”コミコミ価格”から便器本体価格を引けば工事費用となる訳です。

 

そこで、この洋式便器の交換工事費用を考えるのですが、ズバリ「3万円から」とお考えください。

 

複数の都道府県で営業展開しているリフォーム業者をチェックすると……

 

業者名 便器交換価格(税込み)
棟梁ドットコム(株式会社メディアテクノ) 29,700円
生活堂(株式会社ライフワン) 33,800円
交換できるくん(株式会社サンリフレHD) 34,800円

 

となっています。

 

また、同じく水回り工事で全国展開している『クラシアン』については、工事費のみの表示は行っていませんがTOTOの「ピュアレストQR」の工事費込みセットが69,000円(税別)となっています(2020年1月現在)。

 

この「ピュアレストQR」は、同タイプのものが楽天市場でおおよそ35,000円前後の販売価格となっています。

 

ということは、クラシアンの交換工事費が概ね「36,000~38,000円」前後ではないかと推測できる訳ですね。

 

これらを総合して考えると、洋式便器の交換工事費用が概ね「30,000~40,000円」前後であると分かります。

 

ちなみに住宅情報サイトの『SUUMO(スーモ)』では、便器交換の費用例として「25,000円」となっています。

 

この辺りの価格差は業者によって違うところですし、また、場合によっては最終値引きの対象となる部分でもありますから、覚えておいて損のないところです。

 

 

和式から洋式への交換は条件により様々!

 

便器交換の基本費用が分かったら、次に気になるのは「和式便器から洋式便器」への交換工事費用ですよね。

 

しかし、この和式便器からの交換費用がそう簡単ではなく……

 

基本工事費はプラス10万円から!

 

「和式便器から洋式便器」への交換工事費用ですが、こちらは工事費用を直接表示している業者はほとんど無いといっていいのが現状です。

 

しかし、洋式便器交換でご紹介した『交換できるくん(株式会社サンリフレHD)』では、「和式→洋式」交換の基本工事費用を「131,700円」と表示しています。

 

「洋式→洋式」への交換工事費用は、どの業者も極端な差がないことは既にお分かりいただけたと思います。

となると、断言はできませんが「和式→洋式」交換工事の場合は、どの業者も『基本費用(30,000~40,000円)にプラス10万円』という解釈で大きくは間違っていないでしょう。

 

ちなみに『SUUMO(スーモ)』での「和式→洋式」交換工事費用の例ですが、こちらは「158,000円」となっています。

 

やはり極端な差は無いことがお分かりいただけると思います。

 

ただし、こちらでご紹介した価格はあくまでも、元々「水洗トイレ」だった場合です。

 

「汲み取り式」の場合、話はやや複雑になってきます。

 

「下水」or「汲み取り」か?「簡易」or「水洗」か?

 

自宅のトイレが「汲み取り式和式トイレ」の場合、ほとんどの方が「早く水洗の洋式に変えたい…」と考えているのではないでしょうか? しかし、その一方で誰もが「お金かかりそう…」と考えているはず。

 

その考え方は”基本的”には正解です!

 

「汲み取り式和式トイレ」を「洋式水洗トイレ」に変更する工事は、かなり高額になります。

 

そもそもなぜ現在、ご自宅のトイレが「汲み取り式」なのかと言えば…

 

  • 自宅周辺の地域に自治体の下水道インフラが整っていない
  • 自宅に合併浄化槽設備がない

 

の二点が考えられます。

 

下水道インフラは自分ではどうにも出来ませんので、「汲み取り式→水洗式」への変更を行うためには合併浄化槽を自宅に敷設しなければなりません。

 

この合併浄化槽を敷設する費用がかなりの高額になります。

 

ご自宅の状況や土地の形状などもあり一概には言えないのですが、一般的に合併浄化槽の敷設費用は50~100万円以上と言われています。

 

「トイレを水洗にしたい」というだけでは、なかなか気軽に出せない金額です。

 

「じゃあ、ウチはずっと汲み取りのまま…」とガッカリする人のためにおススメしたいのが『簡易水洗トイレ』です。

 

排水・排便は汲み取り式のままで、洋式の簡易水洗便器を設置する方式で、新幹線などのトイレをイメージしていただければ分かり易いと思います。

 

最近の簡易水洗便器はかなりよく出来ており、一見すると”汲み取り式”の印象はありませんし、臭いに関してもかなり軽減されています。

 

「汲み取り式和式→簡易水洗」への交換工事の費用ですが、水洗の「和式→洋式」工事にプラス3~10万円のイメージです。給水設備と電源工事が必要になるため、コンセントの有無、水回りの状況等、ご自宅の事情で追加費用が上下します。

 

交換工事 工事費用(目安)
水洗和式便器→水洗洋式便器 130,000円~150,000円
汲み取り式和式便器→簡易水洗洋式便器 160,000円~250,000円
汲み取り式和式→水洗洋式(浄化槽敷設) 600,000円~1,200,000円

 

床がフラットか段差か、1階か2階かでかなり違う?

 

和式トイレの場合、床がフラットなものと、段差がついていて上の段に便器が設置されているものがありますよね。

 

「和式→洋式」への交換工事の際、床が段差式の場合、段差を無くしてフラット床にする工事をしなければなりません。この工事が約5万円ほど費用がかかります。

 

また、2階に設置してある和式トイレ(水洗)を洋式トイレに変更する場合ですが、2階トイレの場合、階下に漏水しないように防水処理が施されています。

 

防水層は便器の外側周囲に巻かれているため、床がフラット式の場合は防水層が床に埋め込まれている形になっています。

 

段差式の場合は便器が床から”浮いている”ため、再防水処理も比較的簡単なのですが、フラット式は新たに汚水管を設置して、その周囲を再防水するなどの工事が必要となります。

 

このように「和式→洋式」への変更は、元々の設置状況と様々な再設置条件で費用はかなり上下します。工事の際は業者からの説明をよく聞いて判断してください。

 

メッチャ簡単なLIXILの「和風アタッチメント」

 

「和式→洋式」への変更を考えた時、もしご自宅のトイレが水洗で、床が段差式の場合、最も簡単な変更方法がLIXILの「和風アタッチメント」の設置です。

 

既設の和式便器の上に洋式便器の「和風アタッチメント」を被せて設置するだけという簡単なものですが、余計な工事が一切いらないという部分では一考の価値はあると思います。

 

また、価格もカタログ価格で「40,300円」と安価に済むこともメリットです。

 

 

トイレリフォームに関する補助金や減税制度について

 

トイレのリフォームに関する補助金・助成金制度があるのをご存知でしょうか?

 

トイレリフォームに関する減税制度も併せてご紹介します。

 

個人住宅の場合はほぼ「バリアフリー」目的に限られる

 

リフォームに関する補助金・助成金制度は、以下の2つが挙げられます。

 

  • 「介護保険」によるバリアフリーリフォーム助成金
  • 「長期優良住宅化リフォーム推進事業」による補助金

 

この2つの補助金・助成金制度ですが、ザックリ言うとトイレのリフォームに関しては「バリアフリー化」目的でのリフォームのみが申請範囲と言えます。

 

「介護保険」に関する助成金の申請資格は「40歳~64歳の人は特定疾病で介護が必要と認定された場合、65歳以上の人は特定疾病にかかわらず介護が必要と認定された場合」となっています。

 

補助金の限度額ですが「要介護・要支援者1人あたり20万円」となっており、介護認定度により自己負担の割合が変わりますので、支給額(最大18万円)も自己負担額の決定により変わります。

 

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金については「住宅の性能向上リフォームと三世代同居対応リフォームに関する補助制度」と副題がついていますが、いずれにせよトイレに関しては、老齢化等によりバリアフリー化の必要性があると認定される必要があります。

 

補助金の限度額については「100~250万円を上限として、最大で1/3の補助金を支給」と定められています。

しかし、この制度についてはかなり申請が複雑になっていますので、その点は要注意です。

 

また、両制度共に工事前申請の上、認定の可否がありますので、補助金をアテにした工事は止めた方が賢明だと思います。

 

バリアフリーリフォームの減税制度

 

「バリアフリー」「省エネ」「耐震」を目的としたリフォームに関しては、申請により認定を受けると減税を受けることが出来る制度があります。

 

トイレのリフォームに関しても「バリアフリー」を目的としたリフォームであれば、申請できるという訳です。

 

各減税制度は以下の通りになります。

 

1.住宅ローン減税(返済期間10年以上のローンを組んだ場合)

控除対象となる借入限度額 控除率 10年間の最大控除額
4,000万円 年末ローン残高の1% 400万円

 

2.ローン型減税(5年以上のローンを利用したリフォームの場合)

工事対象限度額 控除率 5年間の最大合計控除額
250万円 年末ローン残高の2% 6.25万円

 

3.投資型減税(主に現金でリフォームをした場合(ローンも可))

控除対象工事限度額 控除率 1年間の最大合計控除額
バリアフリー:200万円 工事費等の10% バリアフリー:20万円

 

上記の各制度は期間延長を繰り返していますが、現時点では2021年末までが対象となっています。

 

 

まとめ

 

便器交換を中心にトイレリフォームの費用について、様々なパターンのご紹介をいたしました。

 

  • 便器の本体価格:3万円~4万円
  • 洋→洋の工事費:3万円~4万円
  • 和→洋の工事費:15万円前後
  • 汲→洋の工事費:20万円前後

 

そのほか、和式だと床に段差があったり、2階にあったりするとプラス5万円以上かかります。

単純に便器を交換したいってだけなら10万円程度でトイレのリフォームができるってことですね。

 

既に水洗洋式トイレの場合は、単に「便器交換」のみで終わるのですが、「和式」「汲み取り式」等の条件がつくと、まさに「リフォーム」となってくるのがご理解いただけたかと思います。

 

トイレをリフォームする際に「国からの補助(助成金や補助金)」があるのか考えたると、選択肢は主に2つあります。

 

  • 「介護保険」によるバリアフリーリフォーム助成金(最大20万円)
  • 「長期優良住宅化リフォーム推進事業」による補助金(250万円まで)

 

いずれも申請と認定が必要なので、事前の準備が必要となります。

 

またトイレリフォームの費用について事後的に「減税」に使えないかというと、主に3つの減税制度を利用することができます。

 

  • 住宅ローン減税(返済期間10年以上のローンを組んだ場合)
  • ローン型減税(5年以上のローンを利用したリフォームの場合)
  • 投資型減税(主に現金でリフォームをした場合=ローンも可)

 

いずれも2021年までが対象となる減税制度です。

 

最後に、トイレリフォームをもう少し安くする方法ですが、それはキッチンやお風呂等のリフォームと同時に行うことです。

 

もちろんトータル費用は上がりますが、他の水回り個所と同時に工事すると、トイレ部分の付帯工事費用も”ついでに”下がります。工事をする職人が一緒なので人件費のムダが省けるからです。

 

トイレのリフォームは一生の内、そう何度もするものではありません。
予算等を慎重に検討して行ってください。

 

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