【最終更新日】2020/01/12
この記事ではDIYで出来る範囲の「トイレリフォーム」について簡単に解説しています。
トイレのDIYリフォームについて言えば、便器交換作業はかなり難易度が高めになります。ただし内装のリフォームに関しては、比較的簡単に行えるジャンルと言えます。
もし家全体や部屋の内装リフォームをDIYでやってみたい考えている人にとっては、トイレという空間の内装リフォームは格好のリハーサルにもなるので、ぜひDIYしてみてください。
トイレ内装リフォームの実質的な内容は「壁」と「床」の貼り替えということになります。通常のパターンの範囲内でリフォームをおこなうなら、要は「丁寧に剥がして」、「丁寧に貼る」だけOKです!
作業自体は簡単なのでチャレンジしてみる価値はあります。以下、本文で詳しく解説します。
トイレのDIYリフォームはカンタン! 便器交換DIYはやや難易度高め
トイレのDIYリフォームはカンタンなの?
「DIY」というワードがすっかり一般化した近年、棚やテーブルを作ったり、ウッドデッキにチャレンジ!といった記事はよく見ます。
しかし、それらのDIYが「作る」DIYなのに対して、「作り変える」というタイプのDIYがトイレリフォームです。果たしてトイレリフォームは簡単に出来るものなのでしょうか?
トイレのDIY内装リフォームは、ハウスリフォームのミニバージョン
トイレの内装リフォームは主に「壁」と「床」の変更です。
この「壁」と「床」の内装を変更するという作業は、家の内装リフォームの大きな部分を占める作業です。比較的狭い空間であるトイレの内装リフォームは、言ってみれば家の内装リフォームの簡易バージョン。作業時間も短く済み、もし上手くいかなくても、途中でやり直しがしやすいため、初めての内装DIYには最適な挑戦場所と言えます。
もし、近いうちに家のDIY内装リフォームにチャレンジしたいというのであれば、まずはトイレの内装リフォームでいろいろ試してみるのがいいと思います。
作りの凝ったトイレでなければ内装DIYは比較的カンタン!
トイレの内装リフォームのDIYで面倒な作業は、実は新しい壁材や床材を施工する作業よりも、まずは現況の内装素材を撤去する作業です。
壁や床の下地をキレイな状態にしないと、新しい素材を貼り付ける作業は決して上手くいきません。
そのため、壁や床に石材やタイルなどの建材がつけられたトイレだと、その撤去にはそれなりの技術や工具、時間がかかるため、DIYとしてはハイレベルな作業になります。
しかし、壁紙やクロス、クッションフロアなどで内装された通常のトイレであれば、それらの作業は比較的カンタンに済みます。
便器交換のDIYは和式・築年数等の条件で難易度が段違いに変わる
便器交換のDIYですが、こちらは現在のトイレの状況などにより、その難易度が著しく変わってきます。
既に洋式水洗トイレの場合は、便器の取り外しと取付作業そのものは、DIY経験のある人ならば、それほど難しい作業ではありません。
- 止水栓を止めて、タンクと便器の水を全て取り除く
- 配水管とトイレの配水パイプを取り外す
- タンクを便器から取り外す
- 便器を床から取り外す
新しい便器の取り付け作業は、この順番の逆の手順となります。
便器とタンクはボルト締めで取り付けされているだけですから、ドライバー・レンチなどの通常工具で対応可能です。
洋式便器は、床の排水管の上に”乗っている”だけですから、ボルトを外すと簡単に取り外すことが出来ます。
既にウォシュレットなどが使用されている場合なら、トイレ内に電源コンセントがありますので、タンクレストイレの取り付けも問題なく可能です。
このように便器交換そのものは比較的簡単なのですが、問題は便器と排水管を接続している「フランジ」です。「フランジ」はメーカーごとに形状が違うため、同一メーカー同士の便器交換であるならば再利用が可能ですが、別メーカーの場合はフランジそのものを交換する必要があります。
古いフランジの取り外しは、特別な工具が必要になることに加え、かなりの難作業になるためDIY上級者以外にはおススメ出来ません。通常は業者の作業となります。
また、同一メーカーなのでフランジの交換が必要ない場合でも、いざ便器を取り外してみたら、経年劣化でフランジが破損していたり、排水口の一部に腐食が見られたりするケースも考えられます。そうなると、やはりフランジや排水口の交換や修理が必要になってきます。
普通、便器交換をしようと思う場合は、それなりに便器の使用年数が経っていることがほとんどです。
ですから、便器交換の作業は、DIYに自信がある人以外は、やはり専門業者にお願いするのがセオリーと言えるでしょう。
逆に言えば、それほど築年数が経っていない家のトイレであるならば、便器交換のDIYは難しくありません。
トイレの排水芯の場所が、便器の排水位置と異なる場合でも、排水アジャスターをメーカーから取り寄せすれば、問題なく便器に取り付けできると思います。
ちなみに、和式便器から洋式便器への交換ですが、こちらはもはやDIYの域を超えて「工事」のレベルです。やはり専門業者に依頼するのが普通です。
トイレのDIY内装リフォームの基本バージョン
ここからはトイレのDIY内装リフォームの基本バージョンである「壁」と「床」のリフォームについてご紹介します。
取り外しは壁→床の順で
内装リフォームはまず、既存素材の取り外しから!主な流れは以下の通りになります。
- ペーパーホルダー、コンセントのプレートなど、外せるものは出来るだけ外す。便器の配水管などはそのままでOK
- 床に付いている巾木を剥がす。木製の場合はスクレーパー(金属ヘラ)をハンマーなどで叩いて差し込み、テコの原理で剥がす。
- 壁の四隅、窓のサッシの際など、「際」の部分にカッターで切り込みを入れる。ただし、下地まで切らないように注意すること。
- 切り込みを入れた部分から壁紙を剥がす。剥がす順番は「上から下へ」が基本。天井も張り替える場合は天井から行う。慣れてきたら、横に切り込みを入れて上下に剥がしてもOK。ただし、下地となっている「裏紙」は絶対に剥がさないこと。
- 誤って剥がれたり、浮いてしまった裏紙を「下地補修」する。浮いた部分はカッターなどで切り、裏紙が剥がれた部分をパテを薄く塗ってスクレーパーで伸ばす。乾いたらサンドペーパーで他の下地との段差を無くす。
- 床のクッションフロアを剥がす場合も、壁の四隅にまず切り込みを入れる。その上で、剥がしやすいサイズに切り込みを入れ、カッターなどで切り込みを起こして剥がす。
- 床材を剥がした後、残っている裏紙はカッターなどで丁寧に剥がす。
- 新しい素材の貼り付けに関しては床→壁→巾木→取り外したモノの取付(ペーパーホルダー等)の順番で
壁紙や床材の貼り付けに関しては、丁寧かつ慎重に行ってください。壁紙や床のクッションフロアに関しては中に空気が入り込まないように、木材などを使い中心から外側にむけて、空気を外に出すイメージで接着していくことがポイントです。
壁のリフォームは3つの選択肢の中から
壁のリフォームに関しては3つ選択肢があります。
①トイレ向け壁紙
トイレの壁リフォームで最も多く利用されているのが壁紙の貼替です。
中でも「消臭」「抗菌」「防汚」等の機能が備わっているトイレ向けの機能性壁紙が人気です。
また、壁紙の貼替えが初めてという方向けに、初心者でも簡単に扱える貼替用キットと壁紙がセットになった「チャレンジセット」もあります。
壁紙のメリットは何と言っても多種多様な種類を選べることです。トイレリフォームは面積が限られているため、本来ならば長時間作業となる壁紙の貼替も、慣れたら比較的短時間で行うことが出来ます。つまり、トイレの壁紙リフォームは、その気になれば毎年でも可能なこと。
気分に合わせたリフォームが可能なことが最大のメリットと言えるでしょう。
➁水性ペンキ
ある意味最も簡単な壁リフォームが、この水性ペンキでの壁の塗装方式です。
手順は以下の通りです。
- 養生用ビニールとマスキングテープで足元等を養生
- 下地塗りを行い、十分に乾かす
- 下地塗りの上から好きな色の塗料を塗る
- 完全に乾く前に養生を撤去
水性ペンキ塗装のメリットは、もちろん自分の好きな色や柄・デザインに壁をリフォーム出来ることです。
ただし手順は簡単でも、物理的な乾燥時間がどうしても必要なため、DIYに慣れた人だと、面積の限られたトイレリフォームなら、壁紙貼替の方が短時間で終了することが出来ると思います。
③珪藻土(けいそうど)
いわゆる「土壁」塗りになりますが、トイレの壁塗りによく利用されているのが珪藻土です。
「調湿」「消臭」「空気清浄」「吸音」「防火性」「エコ」等が土壁の特徴ですが、珪藻土ももちろんそれらの特徴が備わっています。
「土壁塗りって難しそう…」と思われる方も多いかと思いますが、最近はDIY用に塗料タイプや、既に練りこみ済みのタイプもありますので、それらのタイプでしたら水性ペンキを塗るのとほぼ同じ手順での施工が可能です。
また、粉末タイプ(自分で水を練りこむ)を利用すれば、左官屋が仕上げるようなデザイン土壁風に仕上げることも可能です。
床はクッションフロアが超カンタン!
トイレの床材として非常に多く利用されているのがクッションフロアです。それ故、トイレの床リフォームにもクッションフロアが多く利用されており、リフォーム業者に指定なしで依頼すると、ほとんどがクッションフロアでの仕上げになります。
クッションフロアの最大のメリットが、カッターで切断し、ボンドで接着するというその手軽さ。トイレ床の場合は、便器周りにも隙間なく貼れる用に型紙をシッカリ取って、その型紙の形にクッションフロアをカットして貼るだけです。
トイレDIYリフォームの最新トレンド
最後にトイレのDIYリフォームの最新トレンドをご紹介します。
今日から”なんちゃって”タンクレス!
現在、トイレのDIY内装リフォームの流行となっているのが、タンク式トイレの貯水タンクをキャビネットや棚などで隠してしまう、”疑似タンクレス化”リフォームです。
タンク式トイレの貯水タンク周りにDIYでキャビネットや棚を作りこみ、タンクを隠すことで、トイレを”なんちゃって”タンクレスとするリフォームです。
元々、TOTOの『GG』やLIXILの『プレアス』も貯水タンクを壁裏に隠してしまう疑似タンクレストイレですから、発想は全く同じことになります。
ただし、『GG』や『プレアス』と違い、通常のタンク式トイレは便器と一体型になっていますので、キャビネットや棚のDIY作成は、正確に寸法を測った上で図面を引いて作成しないと、なかなかイメージ通りにはいかないかもしれません。
しかし、DIYの経験がそれなりにある人にとっては、それほど難しくはないDIYだと思います。
「和風モダン」はカンタンかつオシャレ!
トイレ室内のデザインリフォームで、現在、静かな流行となっているのが、高級旅館のトイレのように仕上げる「和風モダン」です。
この「和風モダン」化のポイントとなるのが壁の仕上げですが、和風の壁紙を貼ることももちろんですが、上でご紹介した珪藻土での壁リフォームを行えば、それだけでもう「和風モダン」は完成したも同然!
あとは木材や竹材などの和風アクセサリーや、「和」をイメージさせる飾りつけをすれば、高級感溢れる和風トイレの完成となります。
まとめ
トイレのDIYリフォームについてのご説明を行いましたが、思ったよりも簡単だということがお分かりいただけたと思います。
もちろん初めてやる際は戸惑うこともあるとは思いますが、この作業に慣れると、その後のDIYリフォームに役立つことが多々あるはずです。
とどのつまり内装の基本リフォームというのは、「剥がして」から「貼る」か「塗る」というだけのこと。
トイレという狭いスペースで内装リフォームを完成させることは、その後も大きな自信になると思います。
最後に改めてトイレのDIYリフォームについてまとめます。
- 内装リフォームのDIYは、家の内装リフォームのミニバージョン
- 壁と床の貼り替え作業は比較的簡単。ただし正確さと丁寧さが必要。
- 便器交換自体は簡単な作業だが、フランジ等の排水管の交換作業は難易度が高い
- 珪藻土塗りは「和風モダン」仕上げに最適
また、今回は敢えて予算には触れませんでしたが、それは内装素材や建材の予算は、言ってみれば「ピンキリ」なため。
標準タイプのトイレ内装リフォームならば、壁紙・クッションフロア等で安ければ1万円以内。2万円あれば予算としては十分だと思います。
ぜひ、一度チャレンジしてみてください。